たかびっくる

大体は映画のこと書いてます。










《ゴーストライター》

要は、元007の元首相にオビワンが突っかかってく話です。


ゴーストライター


ピュアすぎる映画観by16歳童貞高校生


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詳しい作品の情報はコチラ でどうぞ。







まず良かったところをあげていくと、画作りが徹底していて常に曇天もしくは雨天

という悪天候で灰色がかっていたり、海岸線が微妙にさびれていたり、主人公が

住んでいる所とははっきり何がどうとは言えないけど明確に、確実に大きく違う

「異世界」の感じが、何が起こるわけでもないのにずっとそわそわした雰囲気を

漂わせていて常に飽きることなく観れました。

それをずっと写しているだけなんてことはなく、あくまで舞台設定として、背景として

存在させているのもいいと思います。そしてそういうディテールを突き詰めているのを観ているだけでも楽しいと思います。



この作品はヒッチコックの映画を意識したらしいです。

確かに、主人公が仕事の依頼を受ける→乗り気じゃないから面接での受け答えが雑→逆にその態度が気に入られて採用→今後を暗示するような不幸な出来事→

でもまあお金も一杯もらえるし行っちゃおー!→てんやわんや、

ヒッチコックっぽいですよねこういうの。

最初はただこれが起こっただけ、もしくはこうなっただけなのに…っていう感じが。

そんな感じで序盤はテンポよくポンポンと積み重ねて主人公が巻きこまれていく布石が打たれます。この序盤でその後を暗示するかのような登場人物の言動や、気付かないような伏線が張られているのもすごいと思いました。観客に与える情報とその見せ方と量が見事に計算されていたと思います。


そんなヒッチコック映画は「巻きこまれ型」で、受動的に事態に巻き込まれていきアイデンティティを発揮もしくは発見します。でもこの映画、「巻きこまれ型」ではなくて「巻きこまれていく型」なんです!(あくまで個人的な感想)。


ストーリーの展開は原作者とかが言うように「ステップを踏んで一段一段起こるべくして起こることが物語を進めている」というのは確かに間違ってないんですけど、

主人公に起こることは全て主人公が原因というか勝手に窮地に追い込まれてる

というか、ようは勝手に自分の首を絞めているだけなんですよ(マヌケとか言っちゃだめ!)。


しかもカーナビの件やネットで調べる件などはまさに愚の骨頂で。。。

で、ブロスナンの元首相もだんだん自分の立場とかが危うくなっていくんですが

主人公の物語とは関係なく発展していくので。。

ハッキリ言って主人公は「異世界に来て勝手に楽しんで迷惑だけかけてる人」に

しか見えませんでした。まあそれがゴーストとして、劇中で名前がでてこない男が

自分の存在を確かめているのかなとも思えたりもしますけど、にしてもバカっぽい

っていうか、だからゴーストなのかなあ。。。



ラストの真相を解明(このトリックも使い古されてる感じだし、そもそも回りくどいんだよブロスナン!!って感じで、火サスとかでダイイングメッセージがやたらとめんどくさい感じに似ている)→どや顔→ゴーストからの解放→いや〜な余韻(褒め言葉)が残るラスト(事故か事件かはファジー)の一連は序盤の伏線が生かされていたりテンポが良かったりしました。






結構悪口が多くなった気がしますがこの異世界での一人称視点を他人と映画館で共有するのは楽しいし、観やすいし(上映時間128分はいらないしだるい部分もあったけど)、演出と計算された編集を観ているのも楽しいのでおもしろいとか面白くないとかじゃなくて観たほうがいいと思います。