《怪盗グルーの月泥棒》
シンプルなストーリーに可愛いキャラクターに明確な悪役、でも主役も悪役という・・・
79点
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今回僕は家のテレビで「2D・字幕版」を観ました。
この手の話って結構古典的っていうか、昔からあると思うんです。
「別々の世界の異端児同士の者が出会い成長する」ってことだと思います。
これって結構アニメに使いやすいんでしょうか?僕は今回の作品は「お下劣さ、あまりに露骨なブラックジョーク、画的な汚さ」などを抜いた「シュレック」に近いなーとか思ったりしました。
話のテンポを重視した、ストーリー部分のディテールをあまり突き詰めないで寓話の絵本的な構成にしてあると思うのでかなり見やすく、映像のディテールはとても細かいのでそれも含め楽しめました。これは3Dで観ときたかったなあ。
僕が好きだったのはグルーのマザコン具合です。彼は背が高く肩幅も広いのですが足と腕が細くていつも暗い服を着ていて話し相手はキチOイじじいとバナナの皮でできたよくわかんない生き物(こいつらがめちゃくちゃかわいい!!けど。。。)だけで人嫌い。たとえば他人に被害があっても初期衝動は受けるのにその後はやたらと冷静に「あーあ、死んじゃった」的な態度でいるとか、そんな感じの男がいつも考えているのが自分の母親だけ、でも母親は構ってくれないから思いは一途、という設定も好きでした。
あともう一つは孤児院での虐待のような扱いを受けていても希望を胸に、楽しみながら、苦しみながらも見知らぬ親を一途に待つ女の子たちっていうのも僕の好きな設定でした。
ただ、テンポよく切るところは大胆に切って話を進めていくので叙情的な場面になると一気に冷めるというか、推進力が無くなってしまって非常に退屈だったり、
突き詰めが足りないから感動が多くてうざったく感じるし、悪役の扱いがぞんざいだったり(主人公たちが乗り越える苦難も結局自分たちのせいだったり)、
ダメダメマザコンプータロー野郎のグルーが急に強くなるのはどうかと思ったり
(楽しいシーンですけどね)、ミニオンのかわいいところをもっと見たかったり(ここ重要)、あと黄色いハゲ気味のチビを大量に働かせているというのはこういうの とかを考えちゃうのは僕だけなんでしょう(これはさすがに考え過ぎですねφ(.. ) )、
まあそんな感じで脚本の穴じゃないけど突き詰め不足というか、突き詰めなんていらないからそれをしてないのに突き詰めないと何にもならないようなところまで描いてしまっているのはどうかなとか思ったりもしました。
でも、頑張るはげはかっこいいし、映像は本当に楽しいし、ラストの落下救出アイデアとかそもそも月を盗むというアイデアとかも凄いと思ったし、ミニオンはかわいいし、1人で観ても2人で観ても何人で観ても誰と観ても(男まみれとかいうのはご法度ということでご勘弁を)高確率で楽しめる超良作だと思います。