ササラモサラな気分で

大体は映画のこと書いてます。










《アイアン・スカイ》

”バカ妄想”を風刺とお約束と映画愛込みで実写化した傑作! 


アイアン・スカイ


ピュアすぎる高校生の映画感想 



80点


作品の詳しい情報はコチラ でどうぞ。




ナチの非道な残虐行為の文献などを読むのが好きなのでそれなりに期待して観に行ってきました。歴史的なネタと現在進行形の社会問題の風刺映画として高水準でしかもバカ映画ということで楽しい映画でした。

友達3人で観に行ったんですがとにかく笑いっぱなしでした。後述しますが僕は彼らよりナチが好きで、アーリア人とかそいうネタとか全く分からない彼らでも笑っていたりしたのでよっぽど「不謹慎さ」に過敏な人でない限りはお勧めだなーと思いました。

プロローグでは早速アメリカの大統領選の風刺をバカさ満点で見せ、かっこいいナチがアメ公を射殺するというのちの展開を十分に匂わせ映画スタート。

アーリア人のような子どもたちの前にはエロい雰囲気を醸し出す女性”ナチ”教師。黒人をみて研究材料にするナチ。「チャップリンの独裁者」を10分に編集しヒトラー礼賛映画として観賞するナチ。

このナチス月面基地はまさにナチスが成し遂げえなかったナチス夢の国!!

しかもアーリア人の生成に成功している!!

僕はナチスの人物の一人、ヨーゼフ・メンゲレが好きで、彼はエグイ人体実験をムカデ人間の博士のようにしていて敗戦後は国外逃亡。

その時にアーリア人の生成に成功していた!かもしれないという記録も残っているので彼の無茶な人体実験も無駄じゃなかったのではないか!と思うだけでなんかワクワクしてきたり。

明かにメンゲレがモデルとなっている博士がでてきて、そいつの見た目がアインシュタインなのはさすがにどうかとは思いましたけど。

このようなナチ的小ネタが満載で、僕は博士の異常な愛情ネタぐらいしかわからなかったんですけどわかる人にはわかるんだろうなー。

アメリカの大統領のバカさは最高なんですけど、もろにブッシュ大統領(息子のほう)のパロディでした。戦争すれば票が集まるとか自然エネルギー確保のために侵攻だー!とか靴を投げるなとか 本土が攻撃されるといい建前になるとかいう911パロディまで映画で見るとばかだなあwwってなるけど実際ブッシュそのものなキャラなんだなーってみると素直に笑えなかったり。

国連のシーンでの小学生レベルの言い争いには爆笑しっぱなしで、北朝鮮や、やったやらないのエゴむき出しで博士の異常な愛情でカットされたあれを見せてくれたりとかなり高水準な風刺コメディでした。

そしてこれらの国々のバカさに反してナチスがいとおしく思えてくるというか、

応援したくなっちゃうんです。地球側に対して無垢すぎるナチは利用され、侵攻されでさんざんな状況になっていきクライマックスの宇宙でのドンパチでは地球側も応援したいけど国連のシーンが挟まるとナチを応援したくなっちゃって、でもやっぱりナチスは嫌だし・・・という感情の揺さぶりがはげしくて、しかもこれそれまでの安っぽさを見せないド迫力の宇宙船の戦いだったのでもうここだけでおなかいっぱい。まさしくカットの積み重ねによってクライマックスのアクションにドラマが生まれるきれいで手堅いつくりだなと思いました。

レテーナちゃんが映画の力によって自らのアイデンティティーを確立するというのも映画愛があって心地よかったです。

レテーナちゃんがアドラーを倒すのに使ったあれも、ナチの女ならではの殺し方で、しかもそのビジュアルがまた笑えました。


ただ手放しに誉められないところもあって、レテーナちゃんが本当のチャップリンの独裁者を観てから改心するくだりはもう少し丁寧にテンポを気にしないで描いてもよかったんじゃないかなあと。そのほうが後々の彼女の行動にもっと説得力が生まれたはず。だって20年以上ナチのもとで育ってきたのにラスト近くであそこまでナチの思想が浄化されてしまっているのはいくらなんでもw

あとこれはしょうがないところなんですが、やっぱり画面が安っぽく見えるところが多々あって。たとえばクライマックスの宇宙大乱闘でコックピットが映るといきなりしょぼく見えちゃったり。

あと途中だれたところがいくつかあって、特に顕著なのがレテーナちゃんたちが地球に降り立ち黒人のストリートギャングたちに絡むシーンなんかいらないし、画面もデジタル撮影で安っぽいし。

カルチャーギャップコメディ的な側面もあるんですがそこも中途半端な印象。

あと、流石にしょうがないことなんだろうけどユダヤ人に対してナチがしてきたことというのを無視している映画なのでそこにアレルギーを示す人がいるかも。

それでもこの映画の製作者たちの志の高さはビンビン伝わってきて、ただナチをバカな奴らとして描くのではなく翻弄された者達という側面もしっかり描いていたり、博士の異常な愛情な終わり方もきれいな終わり方でした。

むだに服が脱げたり、ワグナーがアドラーへの思いを募らせるのと比例して胸元が強調されていったりするのも観ていてありがたかった。

なんかうまいことこの映画の面白さが欠けていないんですけど、

僕が見に行った回では1000円の日のお昼だったのに客席がガラガラだったので観に行ってください。そしてこの手の方式で資金を集めたという歴史的な価値のある映画でもあると思うので一見の価値ありです。


いじょういつもながらグダグダな感想でしたがここまで読んでいただきありがとうございます。