《マッドマックス》
マッド=狂気と暴力でいいですか?
90点
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そんなタイトルに加え冒頭から凄まじいカーチェイス、どこまでも走り続ける狂気の塊を恐怖によって沈めたも者がメルギブ演じるマックス。
マックスという人間を(ほとんど出てこないのに)強烈にアピールしている歴史に残る冒頭だと思いました。その後も破天荒なマックスの人間像が時間を追うごとに確立されていきます。改造車のシーン然り、マックスをとどめたい警察上層部然り。
街にくる”狂気の塊の”暴走族グループが遺体を取りに来る所はOK牧場の決闘などのギャングが馬に乗って街に押し寄せる西部劇を連想させます。
狂気をまとったどこまでも破天荒な暴走族グループは襲撃→レイプ→やり捨てという言ってみればベタなことをとてつもない恐怖として見せつけてきます。
派手なのに陰惨な暴力はいや〜な感じでした(←褒め言葉)。そこからの暴力の連鎖もいや〜な感じでした(←褒め言葉)。
こっからマックスが暴れるのかなーとか思ってたら、マックスの相棒が死んでから
マックスが自分の中の狂気の芽生えを察知して暴走族と同類になるのを恐れ旅に出ちゃいます。そこからなんとも牧歌的でなだらかな雰囲気で映画が進んでくると
同時にどこに行っても暴走グループがいる=マックスには常に狂気の暴力が付きまとっているという構造がでてきます。
こういうのは怖く感じるタチでして、日常にある暴力の映画とかは怖くて好きだったりするんですが、この映画は日常からかけ離れた夢のような幸せの中に暴力があるからものすごく怖く感じました。知恵おくれと婆のいる草原と美しい木々の数々の中に溶け込むように暴力が潜んでいるのを画でみせているのも映画的でよかったです。
妻子をやられ復讐を決行するマックスの人間性がだんだんと暴走族に近づいて行くのも観ていておもしろかったです。
ちゃんと復讐や狂気の代償として腕や足をやられたのかと思ったらボスを倒した
(立ち入り禁止区域の伏線の使い方も気持ちよかったです)後にもう1つの復讐を
まさしく狂気の暴力でやってみせて映画が終わるのは(ダーティーハリーっぽくて)
好きでした。
でも暴力を描いているのに暴力の結果を真正面から見せないのは、、、仕方ないですよね予算とかいろいろあるし。でもそれに直面した時のマックスの撮り方とかは良かったです。